飽商909の"ナローな"時計部屋

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2014年 07月 21日

海の la scala...

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近所のワインショップの老板お薦め♥


..先日のマカンについて色々話してたら、旨安的内容と相成りまして『西班牙(スペイン)ならコレだな!』と紹介してくれました。..で試しに一本。

いつもの如く帰宅してそのワインの素性を検索する楽しみのヒトトキ^^





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..いや、しかしこのワインの背景に登場する人物、そしてstoryはなかなか興味深い事実が沢山ございました。
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'40年代、'50年代を代表するアメリカのicon達。。。
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Jean Leon(ジャン・レオン)とは本名セフェリーノ・カリオンの事である。

「マリリン・モンローと最後に会った男」と呼ばれる彼の物語そのものです。

1928年、スペイン北東部、カタルーニャ地方生まれ。
1941年、13歳の時に、サンタンデル市の大火災で全財産を失い、バルセロナへ移住します。 
しかし、同年、魚雷事故で両親と兄弟を亡くし、天涯孤独の身に。
魚雷事故とは・・・凄い!
1947年、19歳になった彼は、スーツケース一つと僅かなお金を手に、パリに向かいます。その後、密航者となりアメリカのニューヨークへ辿り着きます。 しかし彼は密航者であるため、それが発覚すればスペインに強制送還されてしまいます。
働きながら進路を西へ進め、その旅はカリフォルニアはハリウッドまで続きました。

ハリウッドでの映画やショービジネスの世界は、彼に夢と希望を与えました。
この場所では、彼のような移民のような身でもスターになれる可能性が溢れていました。
「夢と希望と自由の国」アメリカに魅せられた彼は、アメリカ国籍を取得するために軍隊に入隊し、これを機に名前をジャン・レオンに改名します。

無事にアメリカ国籍を取得した彼は、レストラン「ヴィラ・カプリ」で、ウェイターの職を得ます。
「ヴィラ・カプリ」は当時ハリウッドで最も贅を尽くしていたレストランで、オーナーにはフランク・シナトラやジョー・ディマジオなどのビッグ・ネームが名を連ねていました。
訪れる客もビッグ・ネームばかりで、ナタリー・ウッド、グレース・ケリー、ジュディ・ガーランドなどの時のスター達が集う場所でした。
彼の人生を左右する、ビッグ・ネームとの交流が始まった時代です。
 そのビッグ・ネームの一人が「James Dean(ジェームズ・ディーン)」。
ジェームズ・ディーンと意気投合したジャン・レオンは、共同出資でレストラン「ラ・カスラ」のオープンに向けて動き出しました。
しかし1955年、スピード狂で知られていたジェームズ・ディーンは、愛車のポルシェを運転中に交通事故で急逝。
僅か24年の人生にピリオドが打たれました。 短すぎるキャリアと衝撃的な死は、多くの同年代の若者に衝撃を与え、現在でも崇拝の対象となっています。

親友を失ったジャン・レオンは、彼の意志を継ぐべく、3500ドルの借金をし、翌年1956年にビバリー・ヒルズにレストラン「ラ・スカラ」をオープンさせます。
瞬く間に「ラ・スカラ」は、ビッグ・ネームの社交場になります。
ハリウッド俳優、監督、大物プロデューサー、政治家などが、連日のように「ラ・スカラ」に集い、そこで色々な時間を過ごしました。
ニクソン大統領が選挙に敗れた夜、彼は「ラ・スカラ」で夕食をとりました。
ケネディ大統領はロサンゼルスを訪れる度に「ラ・スカラ」のドアを叩きました。
ロナルド・レーガン大統領は、「ラ・スカラ」でワインについて熱く語りました。
そしてマリリン・モンローとの数奇な出会いも「ラ・スカラ」で起こりました。

当時、「ラ・スカラ」に客として度々訪れていたマリリン・モンロー。
1962年8月4日、ジャン・レオンはマリリン・モンローから電話を受けます。
「気分が悪いのでブレントウッドの自宅まで何か食べ物を届けて欲しい」という依頼の電話でした。
電話を受けたジャン・レオンは食べ物を届け、彼女の家を後にします。
翌朝、彼女は死体となって発見されます。
この出来事がジャン・レオンが「マリリン・モンローと最後に会った男」と呼ばれる所以です。
彼女の死は自殺なのか、謀殺なのか、未だに原因は不明です。
しかし、ジャン・レオンはこの事について多くを語らず、全てが闇に包まれました。

その後も「ラ・スカラ」は名声を勝ち得続けました。
ベストセラー小説の舞台ともなり、ジャン・レオンは食の世界で大成功を収めることになります。
しかし、彼はまだやり残していることがあると思っていました。 
それが、ワインです。
彼はワイン通としても知られていましたが、未だに完璧なワインを見出していないと感じていたのです。
彼は、ワイン造りを志します。
 ハリウッドで出会った親しい友人たちに味わってもらう特別なワインをめて。
ワイン造りの場所を探し求めて、辿り着いた場所が故国スペインのペネデスの地でした。
彼は、ここに石灰質土壌の150haの畑を購入しました。
そこに植えてあったスペイン産のブドウの樹を引き抜き、フランスのシャトー・ラフィットやシャトー・ラ・ラギューヌ、コルトン・シャルルマーニュと言った一級生産者からブドウの苗を購入し、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネなどの高級品種を植樹しました。

スペインに高級品種を植える先駆者的存在でした。
1969年にリリースされた「ジャン・レオン・カベルネ・ソーヴィニヨン・グラン・レゼルヴァ」は、スペインで初めて造られたカベルネ・ソーヴィニヨンのワインとなります。
手作業での畑仕事と、環境に優しい栽培、醸造。

造られたワインはそのままハリウッドへ輸出され、ジャン・レオンと交友のあった親友たちに供されます。
彼の親友や「ラ・スカラ」の客たちは、たちまち彼のワインに魅せられます。
1980年、ホワイトハウスで催されたロナルド・レーガン大統領就任の晩餐会で供されたのがこの「ジャン・レオン・カベルネ・ソーヴィニヨン・レゼルヴァ」。
彼は深刻な病を患ったその人生の終わりの2年間を、たった一人自らのボートで過ごしました。
「ラ・スカラ・ディ・マーレ(海のラ・スカラ)」。
彼が、そのボートに名付けた名前です。

(*札幌ワインショップさんの頁より転載させて戴きました<(_ _)> ..補足させて頂けば"苗木"の箇所は更にドラマチックです。




...さて、ではそんな物語も噛みしめつつ独り 愉しませて戴くと致しましょうか♪

Jean Leon / Cabernet Sauvignon Gran Reserva 2001
スペイン カタルーニャ州 D.O.ペネデス
カベルネ・ソーヴィニヨン 100%

by one_after909 | 2014-07-21 20:46 | WINE♥ | Comments(4)
Commented by kujisuke at 2014-07-22 01:28
こんばんは。奇しくもワタシもスペインワインを買い込んでいます。まぁ、アンダー2000クラスですが(^^;
息子のバイト先の酒屋でRP氏90点以上てのです笑
ある程度の指針にはなると思いますが、最後は自分の感性ですよねぇ?
それにしても、ストーリーですね。
為になりましたm(__)m
Commented by one_after909 at 2014-07-22 07:30
kujiラモ^^さん おはようございます!
美味しい(自分の好みの味の)ワインに当たった時は本当に嬉しいですよね〜(僕の場合、確率あんまりよくないですが^^;)?。いろんな産地(気候/土壌)/作り手さん/葡萄がって特色・お味も様々ですが、店頭でその日の気分でソムリエさんに伝え選んで戴くのが購入のmainです。(*実績銘柄指定買いの場合は通販でよりお安く~^^(笑))
..やはりお師匠様に英才教育して戴いたお陰で、指標となりますのはブルゴーニュのピノ。繊細で岩清水/お出汁の慈悲為る官能がいつも中心にあります(あ!'翳り'も!)。

ですね〜?このスペイン銘柄は最後迄ストーリーが...そして確かに美味しかったです♪
Commented by leon_and_vesper at 2014-07-22 12:50
ワインのストーリーいいですね♪

ワインの勉強を始めた(大袈裟ですが…)頃、
ニューワールドでスペインワインが1番好きでした。

エストラテゴ・レアルという非常にリーズナブルな銘柄ですが
抜栓して徐々に味が変化して、開いてくると艶めかしいペネロペ・クルスのような
官能的な味だった記憶が…♡

この頃のシナトラのお顔、大好きです(^^)
Commented by one_after909 at 2014-07-22 13:45
うおっ!? "開いてくると艶めかしいペネロペ・クルス..."
((((((@0@;))))))))!?

そいつぁ是非とも一度味わってみなくちゃ!..ですね^^♪
..っと調べますと。。。お!リオハなんですね?テンプラリーニョ...早速一本♥ これは楽しみです!

美男と申しますより更なる..溢れる自信のオーラみたいなのがお顔に溢れてますよね~^^♪ ..と感じます☆
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