
この季節の霞む地平に陽が沈み往く感じは大陸特有のものだと思う。
海や山陰に沈むクリアな夕陽とは異なり、途轍もなく冷寂な孤独感を感じる。
..きっとそれはこの20年もの間、何度も何度も同じ様な気分を抱えこうして車中から眺めたからであろう。
街中の雑踏/渋滞風情にあってこれだから、郊外の工場よりの帰途の田園風景に在らば殊更その気分は助長されしは況んや。。。

日々熾る些細な問題なぞと謂うモノも、この景色の中に在れば余りに微細だ..
しかし山がなく遮る
*心理的に寄り掛かる..もののない視界は霞の彼方に融けて往く迄 果てしなく続き、
其れをまるで終焉の見えない漠然な不安と感じてしまうから宜しくない。
起伏に富み澄んだ地形で生まれ育った者にはこの寄り掛かり遮るもの=山のない感覚というものは
心理的に余りにも拠り所に欠く。
..最早、永い時間を掛けてゆっくり麻痺した感覚は、それすら自虐的に美しく感じ...
いや? 美しいと表現するよりその広大な拡がりの中にぽつねんと独りぽっちで途方に暮れる感じが、
そうだ!喩えるなら幼ない頃、雑踏で親と逸(はぐ)れた時の絶望にも似たあの押し寄せる恐怖と焦燥感に、
忘却の彼方に置いてきた感覚にこの歳で 陥いるのをmasochisticに愉しむ と捉えた方がより近いのかも知れない。。。
..さて、そんな病的風情からすこし離れる事としよう。。。