
高温多湿な地域への渡航へ帯同させるつもりは毛頭無かったのだが...
結果的に傍に居て、そしていちばん似合う風情はやはり空の上で間違いなかった。
早朝の雲南省・昆明は気温5℃もなく薄着しか準備がなく震えたものだが、機上の人となって国境を越えミャンマーの肥沃なジャングル(?)上空を通過する頃にはすっかり夏雲が拡がり30℃を超えるだろう到着地の空気感を肌に思い出させた。
手にしたばかりの'お誂え'の一本。冒頭の理由で上海にお留守番させるつもりだったのだが、些(いささ)か自画自賛の感は否めないが、世辞や手前味噌は抜きにして手にした感じが余りにも良く、『こんなに眺めていたくなる時計なんて一体いつ振りだろう?』と今回思い切る事としたのだ...

なだらかなサファイアクリスタルの絶妙な曲線が映す。
まがりなりにも嗜んできた名だたるブランドのその部分と比較したとしても、勝るとも劣らない風情がベゼルからガラストップに連なるラインには存在する。
*そしてこのベゼルも一見フラットに見えるがひと工夫入れてあるのも肝だ。 午後3:31(日本時間)
いつもなら中国人/ベンガル人で溢れるこの路線便には珍しく 隣席は空いていたから、ちょっと辺りを窺ってから レバーを6時方向へ引いてみた...
すると綺麗な音色で3回打ったのち、連打が2回と大凡の時刻を知らせるチャイムを打つ。それは何とも場違いな響き..。平成の世の(旧)ビルマ上空は対空砲火もない(当然と言えば当然だ)。軍用時計の顔を持つ...しかしミルスペックには一切必要のない現代では象徴的な形骸でしかないこんな前前世紀の仕掛けだって、一見相反する中に共存してることは何とも我ながら'ワールドタイム/クロノグラフ'同様に無意味為りと思っていたが、実は大いに意義ある様に響いたから不思議なものではないか?
偉大なる無為...
AVIATOR'S REPEATER こうして飛べる事に大いに感謝をしつつ。。。
まったくSir.のニューアルバムに収録されている某曲通りである。暫く実用試験を兼ねた帯同レポートを続けたいと思う。