飽商909の"ナローな"時計部屋

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2021年 10月 13日

scrap book ⑩検索で探せない方・・・

今の世の中、全く便利なもので大概な事項は検索すれば何かしら引っ掛かる。勿論、更に掘り下げようと思わば其処から探求あるのみだが・・・




先日、古書店さんで昭和初期のスクラップブックを購入しました。主に文芸/詩壇関係の新聞記事の切り抜きで構成されてます。


表紙には小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の没後丗一年、アテネ市の日希協會長から贈られ東大の図書館の階段に壁に据えられたと言う大理石のレリーフ肖像の記事/写真が貼られている。
東大の図書館の㌻にて触れられているコチラですね?記載の内容も年度も合致します。

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…まぁ教科書とかその手の本なんかに登場される高名な作家/詩人さん方の現役時代(?)の寄稿や論評、またトピックスなど興味は尽きませんし、また記事が大きく㌻に収まらなくって折り返してある裏面部分の、その当時の少しだけ覗く新聞記事の見出し…



英財政案の成否は世界財界の岐路

更生に必死の努力 英綿業振興案成る

温州蜜柑の消費地 満州市場の檢…

全國の水稻作況「稍不良」の状況

夏目漱石 未発表の手紙


などなどと垣間見る事が出来ます。


それらのニュース記事自体は貼ってあって読めないけど、時代の断片の記憶/記録も趨勢と共に生々しく如実に感じ取れます。


話をスクラップブック本題に戻しましょう。コクトー、ゴーリキー、高村光太郎、谷崎潤一郎、錚々たる高名な方々の文、対談、論評などが見られる中、目を惹きましたのが11回の連載からなる…


處女航路を行く女流作家


と言う記事でした。日付はないがこの最後の11回の次の㌻記事で偶然にもこのスクラップ・ブック中、唯一見れる日付で昭和6年7月27日(月曜日)とありますから、この貼り付け順が日付けに沿っているのなら 恐らく同年前〜中半の連載だったのではないか?と推測されます。1931年の事ですね?


現代風に書けば「新進気鋭の女流作家」の自己紹介的なエッセイ。…とでも?


2〜3、この連載に関しての記述・引用は見る事が出来るが内容については触れられていないから、勿論、新聞社のアーカイヴで検索する事は可能なんだろうけど案外、紙媒体として現存するのは希少なのかも知れません。






11人の名前も知らない女流作家さん。文面/写真で人物的に興味抱いた方も多く、ちょっと辿ってみたくなった次第。

手始めに先ず目を惹かれました*いつもの癖だ^^, 第10回目に掲載されていた方を…

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自己紹介の文面もきっとこの時代にあってはかなり奔放な印象を受け、この頃を指すかは判らないけど'MOGA'なイメージとでも言うのだろうか?余り作家さん然とはされてない印象(後述)を受けます。



*ご自身は文化学院 卒
初めて知ったが、ごく近年迄存在したこの学校の創立時講師陣はもの凄い!新たな思/理想=『国の学校令によらない自由で独創的な学校』のもと開校されたのがよくわかる。

*上梓はただの1篇(この時点)

*お父上は某大新聞社の主筆を務められた方

*二科展に初入選(!)

*ご自身もモデルとして二科展出品作に描かれる・・・


一作だけ…とは何か後年のCarole Crevelingさん(歌い手さんだが)を想起させる「幻の」的な香りが漂う? 検索すれどお名前すら出て来ない。だから当然一篇、その作品名など判る術もなし。以降、作家さんや準(みなし)公人としての道は歩まれなかったのかも知れないな?

名指しこそないがその11人の内の2~3人を除いた方達は、『プロレタリア婦人作家と文化活動』中條百合子(女人芸術 1931(昭和6年) 10月〜12月号掲載)にて「小中流以上の家庭の人で、文化学院などを出た人が・・・」と痛烈に批判されている。所謂プチ・ブル厭?これはやはり思想・主義、真摯なるプロレタリア文学作家であり筋金入りの文筆/活動家*同年、日本共産党入党としての矜持、苛立ちであり先述の"自分の感じた印象"どころではなかった所以なのだろう。いやは(い)や^^;?的外れではないにせよだ、視点がそもそも違うのだ!
個人的には小/中学の時、二度程そう言った教師が居られた。後々アレはそう言う事/ベースだったのだと知る事となる。



然しながら他の方は和装の写真が殆どだが絵の中のその女性は、洋服に身を包んだ痩身なお姿であり冒頭の如しモガなる…時代の真ん中に在って落ち着いた中にも自由な雰囲気を纏っておられる。一体どんな人だったんだろう?色んな方面から検索してみるのだが人物に関しては全くヒットしない。一件たりともだ!付随する記載事項から別の角度からも試みるがあかん、あきません。っとなってくるとまた殊更知りたい欲がむくむくと勃ってくるのだ!



私は未だ唯一つしか創作を書いてゐないのです。それに、私の文學への感情線は不規則な波状を描いてゐて、時々、不健康的に熱情をもつたり、觸れたり、微薄に見詰めてゐたりする・・・」


ハッキリ言って続く文章は素人が見ても稚拙だし些か甘っちょろい。中條(宮本)百合子さんがそう書かれたのも解らんでもない。しかし…使命感や社会的意識などきっと微塵もないであろう、当時の'其方側'からの景色により惹かれたりする。そして何とか突き止めて探し出して読んでみたい欲求に駆られるのだ!


と言うことで。。。




by one_after909 | 2021-10-13 10:44 | 閑話休題 | Comments(0)


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